おばけパーティ
ジャックデュケノワ作 おおさわあきら訳 ぽるぷ社
こどもたちにとって、おばけのおはなしって不思議な存在ですよね。特にちいさい子のためのおばけのおはなしはとっても楽しい。
このお話の主人公は、ふるいお城にすんでいるなかよしおばけ、アンリにリュシー、ジョルジュにエドワール。日本のおばけとは、ちょっと違って、ちっともこわくない。
4人で、パーティをしたり、地下室を探検したり、ネス湖にネッシーを探しに行ったり、アンリが病気になって手術を受けたり、リュシーが、魔女の魔法にかかってスープにされそうになったり。そんな楽しいエピソードのシリーズです。
この「おばけパーティ」はアンリが仲間をパーティに招待するお話。表紙から、おはなしは始まっていて、4人で楽しくパーティが盛り上がる。出されたものを一品一品食べながら、おばけたちは食べたものにどんどん「変身」してしまう。おばけたちのからだは、サラダになったりチーズになったり。大人的にはちょっと「ぎょっ」という第一印象の絵だったのに、子どもたちは何の抵抗もなくおはなしに入っている。やっぱり子どもの感覚はおもしろい。
みんなが透明になってから、後片付けが始まって、いつのまにかアンリがいなくなっちゃう。「どこへいったんだろうね」、なんていってると、動かないはずの騎士の鎧が動いてみんながびっくり。正体はアンリでした。「もう、アンリったら」というお話。
シリーズのはどの本も軽妙なユーモアで気持ちのいい「いたずら」?でおはなしが広がって、「もう○○○たら」というしめくくりでおわってる。
この本を読んであげると、子どもの日ごろのお行儀の悪さなんかにも、普段の雷をちょっと押さえて、たまには、「もう○○○たら」と笑ってすますのもありかな、なんて気になります。笑いあえる親子って幸せですもんね。
(むっちパパ)